(2017.11.7)

ここ数年、住宅ローンが超低金利となっています。
契約時に余裕がなく、しっかり検討することができなかった方も、時間をかけて見直せるチャンスです。どのようなケースなら借り換えのメリットが出るのでしょうか?
借り換えを検討する際には、どういったメリットを求めて借り換えを行うか、目的をはっきりさせましょう。借り換えを行う目的は一般的に次の二つです。
1. 毎月の返済額、総返済額を減らす
2. 将来の返済額の上昇リスクを抑える
では、それぞれの目的ごとに、どのような人にとってメリットが出やすいのかを具体的に見ていきましょう。
1. 毎月の返済額、総返済額を減らす
借り換えることで返済額にメリットが出るのはどのような場合でしょう?
一般的には、
・契約時の金利と現在の金利の差が1%以上ある
・返済期間が10年以上残っている
・ローン残高が1000万円以上ある
と言われています。
住宅ローンが超低金利になったのはここ数年。3〜4年前に借り入れをした方の場合、当時、固定金利は1% を超えていた可能性があります。
また、借り入れ時に保証人がいらない「フラット35(長期固定金利住宅ローン)」を利用している方も多いのではないでしょうか。「フラット35」は契約時期によって金利が1%を大きく超え、2%台のこともあるので、借り換えのメリットがでる可能性は十分あります。
まずは、ご自身の契約時の金利をチェックすることから始めましょう。

具体的に金利の低下が毎月の返済額に与える影響を、フラット35のケースでシミュレーションしてみます。
契約時の金利と現在の金利を比べてみて「1%以上」の差がなくても、毎月の返済額、総返済額には大きな差が出ます。
※参考サイトhttp://www.flat35.com/simulation/simu_01.html
・4年前(2013年10月)データ
借り入れ希望額 4000万円、金利 1.61%、返済期間 30年、ボーナス時返済なし
→毎月の返済額 14.1万円 総返済額 5,047万円
・現在(2017年10月)データ
借り入れ希望額 4000万円、金利 1.01%、返済期間30年、ボーナス時返済なし
→毎月の返済額 12.9万円 総返済額 4,639万円
シミュレーション結果から、金利差が0.6%でも4年前と現在とでは毎月の返済額、総返済額に差が出るのがわかります。
ただし、借り換え時には保証料、印紙税、手数料などの費用がかかります。金融機関によっても異なりますが、数十万円になる場合もあります。諸費用は預貯金から負担できれば良いですが、難しい場合には諸費用分も借り入れる必要があります。
最終的に、
今後の返済総額 > 借り換え実施後の返済総額 + 借り換え諸費用
となれば、借り換えた方がメリットがあるということになります。
一般的には、ローンの返済期間が10年以上残っている、あるいはローン残高が1,000万円以上あれば、借り換えの諸費用を含めた返済総額が現在の返済総額より少なくなりやすいと言われていますので、ぜひご自身の返済状況を確認してみてください。
2. 将来の返済額の上昇リスクを抑える
現在は変動金利型住宅ローンで借り入れをしていても、将来の金利上昇による負担増を抑えたいと考えている方にとって、低金利が続く今のうちに固定金利型住宅ローンに借り換えるのは大きなメリットがあります。
まずはご自身の契約時の金利をチェックし、下記のサイトのシミュレーションツールを使ってメリットが出るかをチェックしてみましょう。「当初借入額」や「残存借入額」を確認してシミュレートしてください。
※参考サイト:住宅ローン借り換えメリットシミュレーター 「モゲチェックweb」
https://web.mogecheck.jp/
低金利が続いているうちは変動金利のままで、変動金利が上昇し始めたら固定金利の住宅ローンへの乗り換えを検討しようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、固定金利は将来の変動金利の予測に基づいて変動するので、変動金利が上昇し始めたときには、固定金利の金利はすでに上昇してしまっているというケースも想定されます。早めの検討を心掛けましょう。

借り換えの目的やメリットは人それぞれで違うもの。後編では、借り換え手順、また、教育費や老後の生活費などライフプランを見据えて自分にあった最適なローンにする視点などをお伝えします。
<監修>
ファイナンシャルプランナー 藤井亜也(株式会社COCO PLAN 代表)
http://www.cocoplan.net/fp/index.html

photo: Getty Images
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ここ数年、住宅ローンが超低金利となっています。
契約時に余裕がなく、しっかり検討することができなかった方も、時間をかけて見直せるチャンスです。どのようなケースなら借り換えのメリットが出るのでしょうか?
住宅ローン借り換えのメリットとは
借り換えを検討する際には、どういったメリットを求めて借り換えを行うか、目的をはっきりさせましょう。借り換えを行う目的は一般的に次の二つです。
1. 毎月の返済額、総返済額を減らす
2. 将来の返済額の上昇リスクを抑える
では、それぞれの目的ごとに、どのような人にとってメリットが出やすいのかを具体的に見ていきましょう。
1. 毎月の返済額、総返済額を減らす
借り換えることで返済額にメリットが出るのはどのような場合でしょう?
一般的には、
・契約時の金利と現在の金利の差が1%以上ある
・返済期間が10年以上残っている
・ローン残高が1000万円以上ある
と言われています。
住宅ローンが超低金利になったのはここ数年。3〜4年前に借り入れをした方の場合、当時、固定金利は1% を超えていた可能性があります。
また、借り入れ時に保証人がいらない「フラット35(長期固定金利住宅ローン)」を利用している方も多いのではないでしょうか。「フラット35」は契約時期によって金利が1%を大きく超え、2%台のこともあるので、借り換えのメリットがでる可能性は十分あります。
まずは、ご自身の契約時の金利をチェックすることから始めましょう。

具体的に金利の低下が毎月の返済額に与える影響を、フラット35のケースでシミュレーションしてみます。
契約時の金利と現在の金利を比べてみて「1%以上」の差がなくても、毎月の返済額、総返済額には大きな差が出ます。
※参考サイトhttp://www.flat35.com/simulation/simu_01.html
・4年前(2013年10月)データ
借り入れ希望額 4000万円、金利 1.61%、返済期間 30年、ボーナス時返済なし
→毎月の返済額 14.1万円 総返済額 5,047万円
・現在(2017年10月)データ
借り入れ希望額 4000万円、金利 1.01%、返済期間30年、ボーナス時返済なし
→毎月の返済額 12.9万円 総返済額 4,639万円
シミュレーション結果から、金利差が0.6%でも4年前と現在とでは毎月の返済額、総返済額に差が出るのがわかります。
ただし、借り換え時には保証料、印紙税、手数料などの費用がかかります。金融機関によっても異なりますが、数十万円になる場合もあります。諸費用は預貯金から負担できれば良いですが、難しい場合には諸費用分も借り入れる必要があります。
最終的に、
今後の返済総額 > 借り換え実施後の返済総額 + 借り換え諸費用
となれば、借り換えた方がメリットがあるということになります。
一般的には、ローンの返済期間が10年以上残っている、あるいはローン残高が1,000万円以上あれば、借り換えの諸費用を含めた返済総額が現在の返済総額より少なくなりやすいと言われていますので、ぜひご自身の返済状況を確認してみてください。
2. 将来の返済額の上昇リスクを抑える
現在は変動金利型住宅ローンで借り入れをしていても、将来の金利上昇による負担増を抑えたいと考えている方にとって、低金利が続く今のうちに固定金利型住宅ローンに借り換えるのは大きなメリットがあります。
まずはご自身の契約時の金利をチェックし、下記のサイトのシミュレーションツールを使ってメリットが出るかをチェックしてみましょう。「当初借入額」や「残存借入額」を確認してシミュレートしてください。
※参考サイト:住宅ローン借り換えメリットシミュレーター 「モゲチェックweb」
https://web.mogecheck.jp/
低金利が続いているうちは変動金利のままで、変動金利が上昇し始めたら固定金利の住宅ローンへの乗り換えを検討しようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、固定金利は将来の変動金利の予測に基づいて変動するので、変動金利が上昇し始めたときには、固定金利の金利はすでに上昇してしまっているというケースも想定されます。早めの検討を心掛けましょう。

借り換えの目的やメリットは人それぞれで違うもの。後編では、借り換え手順、また、教育費や老後の生活費などライフプランを見据えて自分にあった最適なローンにする視点などをお伝えします。
<監修>
ファイナンシャルプランナー 藤井亜也(株式会社COCO PLAN 代表)
http://www.cocoplan.net/fp/index.html
photo: Getty Images
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