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自由にリフォーム・DIYできる範囲とは? ~専有部と共用部の境界線~

(2018.4.24)

家族構成やライフスタイルが変化しても、住居を移すことなく望んだ生活が手に入るリフォームやDIY。設備の改良でリフォームの工期は短縮され、グッズの充実によってDIYも手軽に楽しめるようになっていますが、分譲マンションの場合、どこでもリフォームやDIYができるわけではありません。


どこからどこまで自由にできるか?
分譲マンションで、リフォーム・DIYができる部分とできない部分は、次のように分けられます。
・改装できる…個人の専有部分
・改装できない…共用部分・専用使用部分

個人の専用部分とは、玄関ドアの内側から窓のサッシの内側までのスペースを指すことが一般的。排水管が入っているパイプスペースのように動かせない部分もありますが、木製の仕切り壁なら取り払うことができるなど、かなりのエリアが改装可能です。

一方、改装できない共用部分とは、マンションを支える構造部分(壁・床・天井・柱など)、エレベーターや廊下、共用スペースなど、居住する住民全員が使用する部分です。特に気をつけたいのが、専用使用部分と呼ばれるベランダや玄関のドア、サッシです。玄関のドアやサッシであれば勝手に変えても大丈夫と考えがちですが、改装することはできません。

マンションの管理規約でも、リフォーム・DIYの可否や使用する材質が定められています。リフォームだけではなく例えばフローリングの張り替えなど大規模なDIYを検討する際は、管理組合への届け出の要不要も事前にしっかり確認しましょう。


ここまでできる!?生活の快適度がアップするリフォーム・DIY事例
一戸建てに比べ制限のある分譲マンションのリフォームですが、やりようによっては自分が暮らしてみたい空間を実現することができます。子どもの誕生・独立や、老後に備えてバリアフリーにするというように、ライフサイクルの変化によって住みやすい間取りや必要な設備は変わってきます。また、冬は暖かく、夏は涼しくと快適性を追求する、使いやすさや見た目をグレードアップしたいという欲求をかなえるためのリフォーム・DIYもあります。そこで、いくつかの具体例を紹介します。

・壁紙の上からOK。壁のペイントDIY
本格的なリフォームではなくても、部屋の印象を変えたい、気分を変えたいと思う時は壁のペイントがおすすめです。入居時の壁紙を変えない人も多いようですが、壁の一面だけでも色を変えれば印象もガラッと変わります。

とくに、臭いが少なく扱いが楽な水性塗料は初心者でも安心。作業の際は、塗りたくない部分をテープやビニールでしっかり覆うことがポイントです。ハケやローラーなどの道具一式、塗料はインターネット通販やホームセンターで購入できます。トイレの壁の一面だけなら、養生を含めて半日で完成します。

・ミストサウナ設置でまさかのお家スパ
ミストサウナとは、低温の湯を霧状(ミスト)にしてサウナ効果を楽しむもの。温度が低いので、高温のドライサウナと比べて体への負担が少なく、肌や髪にも優しいといわれています。浴室にミストサウナを設置するのは大変だと思うかもしれませんが、後付けできる簡易タイプがあります。また浴室リフォームのタイミングなら、その際にミストサウナ機能がついた浴室暖房換気乾燥機を取り付けることで、自宅でもミストサウナが楽しめます。

・ベランダをDIYでウッドデッキに!
活用が難しいベランダをリビングの続き間として広く使えるようにして、天気が良い日はお茶や食事を楽しむ空間づくりをします。実施前には必ずマンションの管理規約で、ウッドデッキが禁止されていないか、材質が制限されていないかを確認しましょう。互いが連結できるパネルタイプの製品(ウッドパネル)が扱いやすいようです。

・空間を見直すキッチンリフォーム
暗い、狭い、使いにくいキッチンをリフォームできたらと思う人も多いはず。キッチンリフォームのポイントは、限られたスペースを上手に使うことです。思い切って間仕切り壁や頭上の吊り戸棚を外せば、明るく広々としたスペースがつくれます。収納に関しては、最新のシステムキッチンは引き出し式で収納効率が高いため、キッチンの入れ替えをするだけでも収納力はアップします。また、収納棚を観音扉ではなく引き戸にするだけでも通路の行き来がスムーズになり、使い勝手が変わります。

キッチンの向きを変えたいなど、水まわりの移動はパイプスペースからの距離も関係するので確認が必要です。また、換気扇のダクト経路やコンセントの数、分電盤の容量、回路分けもあわせて検討しましょう。

・スケルトンリフォームで快適空間を実現
リビングを広くして家族が集まれるような空間にしたり、ウォークインクローゼットやワークスペースをつくったりするリフォームも実現可能。考えるだけでも、家で過ごす時間が楽しくなりそうです。老後に備え、バリアフリーにしてより快適な環境にするという選択もあります。

ある程度築年数が経っているなら、思い切ってスケルトン(骨組み)だけ残し、内装や設備をすべて取り払って新しくするスケルトンリフォームという方法があります。大規模なリフォームになりますが、間仕切り壁が木や軽量鉄骨でできている構造のマンションであれば、間取りを変更して最新設備を設置することができ、見違えるような部屋になります。リフォームの過程でスケルトン状態にするため、断熱材を入れたり、配管を新しくしたりといったことまで可能なため、生活の快適性がアップできます。

リフォームには定価がないため、同じクローゼットでも、5万円の時もあれば50万円の時もあります。内容をよく吟味することが必要ですが、一級建築士・住宅リフォームコンサルタントのYuu氏は「相見積もりは3社まで」とアドバイス。沢山になりすぎると混乱するため、3社程度で信頼できる業者を見極めるのが大切なようです。

「リフォームする人としない人。その違いは、向いている目線の方向にある」とYuu氏が語っているように、自分の暮らしをどうしたいかを考えるのがリフォームやDIYの原点です。

参考図書
「リフォームを頼む前に読む本」(日本実業出版社)一級建築士事務所Office Yuu

<監修>
一級建築士・住宅リフォームコンサルタント Yuu(本名:尾間紫)


photo: Getty Images

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