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模様替えは家具を動かすだけじゃない!お部屋のレベルが上がるカラーコーディネート術

(2021.5.25)

新しい生活様式の中でお家時間が長くなり、どこか気持ちに“飽き”を生じることがあるのではないでしょうか。気分を変えるために、家具の配置換えや壁を塗るなど模様替えもできますが大きな作業はなかなか大変。このような時は、カーテンやクッションの色をチェンジするだけで簡単に部屋の印象を変えることができます。

私たちは目から入る色や印象からさまざまな影響を受けています。カラーコーディネートの法則を知り、目に美しく心が満たされる部屋づくりをしてみませんか。雰囲気が変わる空間づくりの秘訣をご紹介します。

知っておきたいカラーの黄金比率
ホテルや雑誌に登場するような、センスが良くまとまりがある部屋を作るにはどうしたら良いのでしょうか。インテリアコーディネーターの伊藤直子さんによれば、素敵な部屋づくりには、「スペースに最適な家具のレイアウト、陰影を感じる照明計画」が大事なのだそう。

しかし、家具を動かしたり、照明を変えるのはなかなかハードルが高そうです。比較的手軽に部屋の雰囲気を変えたいなら、カラーコーディネートがおすすめ。カラーコーディネートはひと目で部屋の印象が変わり、気分も季節感も楽しめます。カラーコーディネートを行う場合に押さえておきたいポイントをご紹介します。

部屋のカラーコーディネートには、理想とされるカラーの配分比率があります。使う色のボリュームを知ることで、やすらぎとインパクトを兼ね揃えた空間づくりが実現します。

まず、部屋の中で色が占める面積により3つのグループに分けます。
ベースカラー 天井や壁など部屋の大部分を占める色
アソートカラー カーテンや家具など2番目に面積の広い色
アクセントカラー ファブリックや小物など面積のいちばん小さい色

「ベース70%、アソート25%、アクセント5%」という比率が、センスが良く統一感が生まれるとされている配分です。もちろん例外もありますが、まずは、この配分を意識して部屋のコーディネートを考えましょう。

特にマンションの天井や壁は、飽きがこないアイボリーやホワイトになっている物件が多いと思います。ベースカラーが明るい色の部屋でも、そこに配置する家具やカーテンなどのアソートカラーをグレーや黒などの濃い色にするか、ベースカラーと同じような薄いベージュや白色などの明るい色にするかで部屋全体の印象が違ってきます。

アクセントカラーは赤やピンク、黄色などの鮮やかな色やブルーや黒など重厚感がある色で、ファッションの「差し色」のように部屋にメリハリをつける色です。色の選び方は、好きな色でも良いですし、現在ある家具の中で差し色になりそうなものがあれば、それに合わせても良いでしょう。アクセントカラーを決めたら、それ以外の色はなるべく使わないようにするのがポイント。多くの色を使わないことでアクセントカラーがグッと際立ち、自然と目につくようになります。既に部屋にあるお気に入りのクッションやラグ、小物をアクセントカラーにすると、見るたびに気持ちがほっこり愛着がわく部屋になります。

ベースカラーとなる天井や壁の色を変えるのは大変ですが、アソートカラーやアクセントカラーならチェンジも簡単。例えば、カーテンは部屋に占める割合が大きいので、色を変えるだけで全く違う雰囲気になります。天井や壁、家具に合うベージュやブラウン系のカーテンにすると、部屋全体が広く落ち着いた印象になり、アクセントカラーに寄せると、華やかで印象的な部屋を演出できます。同じように部屋で存在感があるソファーにカバーや布をかけたり、小さなラグを敷くだけでも部屋の印象が違ってきます。


テーマを決めて自分空間を演出
テーマを考えるときは、黄金比率である「70・25・5」というカラーの配分比率をベースに、部屋をどのようなイメージにしたいかを考えます。

例えば「シンプルな北欧スタイル」「洗練されたモダンスタイル」「開放感あるリゾートスタイル」など、自分が好きなテイストの写真を見たり、ハワイやタイなど大好きなリゾートをイメージしてみましょう。こんな雰囲気にしたいと部屋の方向性が決まると、アソートカラーやアクセントカラーに使う色を選びやすくなります。

また、カラーコーディネートをする時は、色が私たちの心理に与える影響を知っておくと役立ちます。色は大きく赤や黄色などの「暖色系」、ブルーなどの「寒色系」、グリーンや茶色、モノトーンなどの「中性色系」に分けられ、それぞれ次のような効果や印象を与えます。

暖色系 気分を高揚させ、やる気を起こす。温かさや明るいイメージを演出。
寒色系 鎮痛作用や集中力を高める。涼しく落ち着くイメージを演出。
中間色系 アースカラーはリラックス効果や癒しを与えてくれる。
紫は高級感を、黒はモダンなイメージを演出。

アクセントカラーを何色にするか迷ったら、「同系色」「反対色」「類似色」という色の組み合わせを考えると、なじむ色を見つけやすくなります。

例えば、ソファーとクッションの組み合わせで考えると「茶色×ベージュ」という同系色や、「ブルー×グリーン」のような寒色系を組み合わせた類似色は部屋がまとまった印象になります。逆に「赤色×グリーン」や「ブルー×黄色」のような反対色を組み合わせると、鮮やかなコントラストが生まれ、個性的で洗練された印象になります。反対色を使う時はバランスが大事なので、どちらかの色をベースにしてアクセントカラーでもう1つの色を使うと失敗しません。アクセントカラーは相性が良い色でしたら2色取り入れても大丈夫です。

知っておきたいアクセントカラーの使い方として、飾ってあるアート作品で使われている色と同じ色を、クッションなどで配置するというテクニックがあります。使っているクッションのカバーを変えるだけなら手軽ですし、同じ色のクッションや小物でも質感や大きさが違うものを並べるとオシャレ度がアップします。

お気に入りの小物や、旅の思い出の品など、部屋のカラーに合わないと感じたら一旦片付けます。季節が変わるタイミングや雰囲気を変えたい時に使えるので、次のアレンジのチャンスまで大切にとっておきましょう。


プロのカラーコーディネート事例を紹介
季節が変わるタイミングで部屋の雰囲気を変えると、自然と気持ちも切り替わってきます。インテリアコーディネーターの伊藤直子さんに、いつもの部屋がおしゃれになるカラーコーディネートのポイントを事例で教えていただきました。

ベースカラー:オフホワイト(床、壁、天井)
アソートカラー:スカイブルー(ソファ、タイル、クッション、アート)
アクセントカラー:ペールピンク(クッション)

マンションの最上階のため、窓から見える美しい空と馴染むようなスカイブルーをテーマカラーとしました。スカイブルーを活かすため、ベースカラーはオフホワイトで統一。アクセントカラーとして、ほんの少しペールピンクをクッションで投入しました。壁のアートもテーマカラーのスカイブルーにしています。


ベースカラー:ホワイト(天井、壁、一部床)
アソートカラー:イエロー(キッチン、クッション)
アクセントカラー:ブルーとオレンジ(壁タイル、床タイル、花、時計、花器、クッション)

壁のヴィンテージタイルに合わせて、ブルーとビビットオレンジをアクセントカラーに。アソートカラーとアクセントカラーの比率が近いため、心が湧くような空間になっています。「70・25・5」という比率は安心感をもたらしてくれますが、この比率をあえて崩すことで、個性的でワクワクする空間を演出することができます。


アクセントカラーはレッドです。アート、クッション、ラグでアクセントカラーを使用することで、統一感のある空間に。アクセントカラーは季節や気分によって色を変えて楽しんでもみるのも良いのではないでしょうか。洗練のポイントは、濃いブラウンを投入して引き締めていることです。


部屋は生活の基盤となる大切な空間です。明るい雰囲気の部屋にいると気持ちが上がり、落ち着いたトーンの部屋にいると心が静かに整います。自分がどのような気持ちになりたいかを考えて、上手にカラーコーディネートのパワーを取り入れましょう。

まずは、いつも使うマグカップや小物を好きな色で揃えることからスタートしても良いと思います。変化をつけると見慣れた部屋に新鮮さが加わり、心がわくわくしてくるはず。心地良く過ごすための空間なので「自分らしさ」を大切に、気持ちが刺激されるようなカラーコーディネートを楽しんでください。


<監修>

インテリアコーディネーター・伊藤直子さん
株式会社RIDEAUX(リド)代表 町田ひろ子アカデミー講師。住宅、モデルハウス、商業空間などのインテリアデザインやトータルプロデュースを手掛け、生活者としての女性の視点を大切にした住み心地の良さや、素材感を生かした品格のあるインテリアを目指す。インテリアや色彩についてのセミナーも開催。TVなどのメディアに多数出演している。
https://www.rideaux.co.jp


画像提供:RIDEAUX伊藤直子

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