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マンションでもよい音で音楽を楽しみたい!DIYでできる防音対策

(2022.1.27)


家で過ごす時間が長くなり、ストリーミング配信で映画やライブを観たり、好きな音楽を聴いたりする機会が増えた人も多いのではないでしょうか。また映画館やコンサート会場にいるような臨場感を出すために、つい大音量にしてしまうことも…。

しかし、通常のマンションの部屋は、いわゆるシアタールームのように大音響に耐える設計になっていません。個人で楽しむ音がマンションの住民の方に迷惑をかけるのは避けたいところ。周囲に迷惑をかけず、最大限に音楽を楽しむにはどうすればいいのでしょうか。マンションでもよい音質を楽しむために、DIYでできる防音対策に挑戦してみませんか?

マンションにおける防音のポイントとは?
音楽などをよりよい音で楽しむ際、とくに周囲の住戸と壁だけで仕切られているマンションでは、防音に配慮したいもの。ちなみに防音とは、外の音が室内に入ってきたり、室内の音が外に漏れるのを防ぐことです。防音の方法としては、遮音や吸音がありますが、遮音とは、空気を通して伝わってくる音を遮断して、外へ音が透過しないようにすること。吸音は、音を吸収することで音の反射を防ぐことです。

遮音にすべきか、吸音にすべきか、悩んでしまいそうですが、防音の対策を考えるにあたり、まずはマンション特有の音の伝わり方を知っておきましょう。

最近のマンションであればある程度の防音対策はされています。とはいえ、上の階で子どもが走る足音などの生活音を完全にシャットアウトすることは難しいのが実情です。
音楽の場合だと、スピーカーの低音を遮音する造りには対応していないマンションも多いです。

音の伝わり方には空気の振動による「空気伝搬音」と、建物など固体の振動によって伝わる「固体伝搬音」があります。窓を閉め切った部屋で音楽を聴いていて、ベランダや共用廊下に聞こえなければ周囲に「空気伝搬音」が漏れている心配はないと考えられます。
しかし、スピーカーの背が壁に接していたり、床に置いてあったりすることで「固体伝搬音」がコンクリートを伝わり建物全体に広がっている可能性があります。そのため、隣戸に面した壁にたんすや棚などを配置することでも多少音漏れを防ぐことはできます。

また、マンションを造っているコンクリートは、空気の「約15倍」も音を伝えやすいとされています。天井や壁、床を通じて「固体伝搬音」が多方向に伝わるマンションは、
振動体の中にいるようなものなのです。そのような実状を踏まえて、防音対策を検討してみるとよいでしょう。

音を楽しむための対策


防音の対策と一口で言っても目的により方法はさまざまです。
中でもホームシアターやオーディオルームといった防音工事は、建物の構造や、音響効果や遮音性能などにより施工内容が変わってきます。
また、音を聴くときに重要な「響き」は大事。とはいえ響きすぎると心地よさがなくなります。逆に響きがない場合、耳に圧迫感を感じてしまう場合も。
快適な音響ならば、音量が小さくても音が聞き取りやすく、オーディオ機器が本来持っている機能をしっかりと発揮できます。音響対策をとっている部屋であれば低音もよく聴こえます。

さらに、臨場感あふれる音を楽しみたい場合は、遮音と吸音、防振のバランスを調節するのが得策です。とくに、壁や天井の遮音性能を上げたい場合は、面密度を高くすること、質量を重くすることが重要です。

コンクリートの壁は防音性が高いといわれていますが、合板や石膏ボードなどの上に厚みのあるゴムシートを貼ることで、高い遮音性能と制振効果を発揮。防音下地材としても利用できます。

また音が漏れやすいといわれるドアも対策を行うことで、遮音性を高めることができます。ドアの防音性は、扉の遮音性と気密性の高さで決まるそう。住まいのドアには木製のものが多いのではないでしょうか。しかし、おすすめは、スチール製のドア。学校などの音楽室のほか、カラオケルームや録音スタジオなどにも採用されています。
住まいによって室内のドアのサイズは異なりますが、ドアサイズにあわせてオーダーメイドできるので利用してみるのも一つの方法です。またドアの取り付けはDIYでもできます。

ドアをスチールに変更するのは、ハードルが高い…という場合は、カーテンを変更することでも音漏れを緩和できます。防音性に優れたカーテンも販売されていますが、今あるカーテンにもう一枚カーテンを重ねるという方法も有効。カーテンレールに一枚しかかけられない場合は、裏地のついたカーテンを選ぶのもよいですが、今あるカーテンにもう一枚布を重ねて縫製しても通常のカーテンよりも音を遮断しやすくなります。防音だけでなく、遮光や断熱性もアップし、省エネ効果も期待できます。

DIYに使える防音材などの選び方と用途


防音材は多彩で、それぞれ性質はもちろん、素材も異なります。大きく分けると、「吸音材」「遮音材」「防振材」「制振材」の4種類があります。

吸音材は、空気中に伝わる音波の振動を熱エネルギーに変換させて音を減衰させる素材。室内の不快な反響音を軽減するほか、残響時間を調整するという効果もあります。
素材は、グラスウールやウレタンスポンジなど。反響や残響が多い空間で使用するのにおすすめです。壁面に貼るだけでよいので、コストを抑えて簡易的に防音したいときにも便利です。

遮音材は、空気中を伝搬する音波を遮る素材で、外部などへ音を透過さないように跳ね返す効果があります。防音マットや遮音シートなどがあり、下の階への防音におすすめ。カーペットの下地にもなり、簡単に設置ができます。

防振材には、衝撃を吸収し、振動を伝達しないように抑止させる効果があります。
制振材は、揺れを抑制することで共振を減少させます。こちらは低音などの振動を抑えるために利用される素材です。
音に深みを加え、音を楽しむためには欠かせない低音ですが、音響対策ができていない場合、低音の抜けが悪く、不要な低音が響く「ブーミング」が耳につくケースも。この場合、音質は濁ったような音になってしまいます。「クリアな音質を楽しみたい」「階下への音の不安を解消したい」という場合には防振材が効果的です。「防音マットZS」や「波形防振ゴムマット」などをスピーカー下や楽器などの必要な部分の下に敷き込むだけで対応できるケースもあります。

防音、遮音などの方法、素材はいろいろあります。マンションでもよい音質を楽しむために
DIYに挑戦し、音楽や映像など自分の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
どうしても没入感が欲しい、大音量で楽しみたいと思う時は、スピーカーではなくイヤホンやヘッドホンを使う選択もありです。中でも低音域が再生できる「重低音ヘッドホン」なら迫力のあるサウンドを楽しめ、スピーカーで鳴らすのと違って、周囲に迷惑がかからずおすすめです。


<監修>

ソノーライズ株式会社
さまざまな音の悩みに対して、何でも相談していただける頼もしいパートナーになる事を経営の目標としているソノーライズ。より良いサービスを充実させて、世の中の音の問題解決に取り組んでいる。防音に関する商品も充実。また、工事業者にお願いしなくても、「自分で出来る効果の上がる対策方法」や「専門知識のある建築士のアドバイザーが材料選びの方法」も紹介。今回、取り上げた素材も取り扱っている。
https://www.sonorize.jp/

画像:Getty Images

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