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はじめての住宅ローン借り換え(後編)〜借り換え手順・長期マネープラン〜

(2017.11.23)


前編では、どういう場合に借り換えのメリットが出やすいか具体的な事例でお伝えしました。後編では、住宅ローンの借り換え手順や、長期マネープランにそったローン返済額、返済期間、金利タイプの決め方をご紹介します。


1.住宅ローン借り換えの実施手順

住宅ローンの借り換えは、新たに住宅ローンを借り入れて、現在借り入れをしている住宅ローンを完済することです。ご自身で行うこともできますし、ファイナンシャルプランナーに相談することもできます。

前編で紹介した住宅ローン借り換えメリットシミュレーター「モゲチェックweb」のコンサルティングサービスをしている「モゲチェックプラザ」では、専門知識を持っている担当者に相談することができ、借り換えのサポートも受けることができます。このような手続き代行サービスを利用することも可能です(手数料がかかります)。

①まずは借り換え先の銀行を選ぶ

「モゲチェックweb」に現在のローン情報を入力すると、全国120以上の銀行の基準金利を反映し、全銀行から借り換えメリットがある銀行を選定してもらえます。このようなシミュレーションツールを活用して、借り換えをする銀行を選ぶこともできます。諸費用を含めた正確な金額は、各銀行に問い合わせて確認しましょう。

<銀行選びのポイント>
・金利が低い銀行(ネット銀行など)
  →複数比較する際は総支払額で比較してみてください
・諸経費や繰り上げ返済手数料が安い銀行
・手数料無料などのキャンペーンをしている銀行
・住宅ローン専門の担当者がいる銀行

②希望の銀行が決まったら、仮審査を依頼する

仮審査では申請者の返済能力や返済負担率(年収に占める住宅ローン返済の割合)、返済プラン、そして信用力などがチェックされます。気をつけないといけないのは、現在の住宅ローンを組んだ時と申請者の状況が変わっている場合です。

例えば、転職して年収が下がった、違う職種になったなど状況の変化がある場合は、現在はローンを借りることができていても、新規ローンの審査に通らない場合もあります。また直近1年間で住宅ローンの支払い遅延がある時は、審査通過が厳しくなります。仮審査は、数日〜1週間で結果が伝えられます。銀行によって申込方法や必要書類が異なりますのでご注意ください。

<住宅ローンの借り換えに必要な書類>
・住宅ローン申込書
・団体信用生命保険申込書兼告知書
・本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
・住民票
・印鑑証明書
・収入を証明するもの(源泉徴収票、確定申告書など)
・物件に関するもの(登記簿謄本、売買契約書など)
・住宅ローンに関するもの(住宅ローン返済予定表、返済口座の通帳のコピーなど)

書類によって入手先が異なります。書類に不備があったり、提出できないと手続きに時間がかかってしまうので、余裕を持って準備しましょう。

③仮審査が通過したら、本審査へ

本審査は銀行と信用保証会社により、申請者の返済能力に加え、担保物件や団体信用生命保険加入なども審査されます。 晴れて本審査を通過すると、融資実行の日程を決めることになります。本審査の結果は1週間〜10日前後で出ますが、年末年始やゴールデンウィークなど金融機関が休みになる時は時間がかかるので注意が必要です。

審査に落ちてしまったら、その理由を銀行が教えてくれることは基本的にありません。銀行や信用保証会社が申請者の信用調査をする時は、クレジットカード会社などが共有する個人信用情報を確認します。手数料を払えば、登録されている自分の返済履歴を確認することができるので、不安がある場合は本審査前にチェックすることもできます。

ある銀行の本審査に落ちても、別の銀行の本審査を通過する場合もありますし、クレジットカードの返済遅延履歴が更新されると大丈夫になることもあります。

④借り換えの実施

本審査を通過したら、現在借り入れしている銀行に「一括返済の申し入れ」をします。そして、借り換え銀行より融資金額が振込まれた後、現在の借り入れローンを一括返済して、借り換えの手続きは終了となります。

一般的に住宅ローンの金利は、融資実行月のものが適用されます。借り換え手続きに時間がかかると、金利が変動し予定した効果が見込めないこともあるので、タイミングを逃さないよう注意しましょう。



2.長期のマネープラン(資金計画)から検討する

借り換えを検討する時は、このタイミングで長期のマネープランを立てることをおすすめします。

その際、知っておきたいのは「住宅資金」の他に、「人生の三大資金」と呼ばれている「教育資金」「老後資金」とのバランスです。教育資金は子どもの年齢によって支出時期や期間がわかるため、必要金額を準備します。一方、少なく見積もりがちなのが老後資金です。どんなライフスタイルになり、それがどれだけ続くかもわからないため、試算も難しくなります。



教育資金や老後資金に比べ、住宅資金は唯一、自分で返済額や期間を調整することができます。そのため、住宅ローンの借り換えを検討するときは、教育資金の負担がいつ大きくなるのか、または老後はどこでどう過ごすかなどあわせて考えることが大事です。

長期の資金計画を立て、教育資金や老後資金も考えながら住宅ローンの借り換えを検討する場合のポイントをまとめてみました。

・現在、教育費の負担が重い→金利差で毎月の返済額を減らす
・将来、教育費が増加する→固定金利に借り換えて安心を得る
・老後の返済が心配→毎月の返済額は同程度で、返済期間を短くする

たとえ月々の返済額が変わらなくても、長期的な視点でそれぞれの事情に合う借り換えを行うことが大切です。ご自身だけでは判断が難しい場合は、専門家であるファイナンシャルプランナーに相談するのもおすすめです。

最後に、今回のコラムを監修いただいた、株式会社COCO PLAN代表 ファイナンシャルプランナー藤井亜也さんからのアドバイスをご紹介します。
「家計の見直しをする際、意外と見落とされているのがこの“住宅ローンの見直し”です。
支出の中で、おそらく一番大きな支出となるのが住宅ローンなのですが、手続きの方法を知らなかったり、面倒に感じたりと借り換えを検討されない方が多いのが現状です。しかし、低金利のこの時代、少しでも金利の低い住宅ローンに借り換えをすることで、かなりの効果が出ます。今回のコラムを見直しの参考にしていただければ幸いです。」


<監修>
ファイナンシャルプランナー 藤井亜也(株式会社COCO PLAN 代表)
http://www.cocoplan.net/fp/index.html




photo: Getty Images

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