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マンションの有効活用?話題の民泊事情最前線

(2018.5.23)

「民泊」という言葉を耳にする機会が増えました。欧米では、以前から知人の家に宿泊しながら旅をするスタイルが存在し、Airbnb(エアビーアンドビー)のような民泊仲介サイトが登場すると利用者は一気に増加しました。Airbnbは自社で宿泊施設を持たず、「泊まりたい人」と「空いている部屋を有効活用したい人」をマッチングさせる新ビジネスで急成長し、「民泊」という言葉も広く知られるようになりました。

日本でも、2018年6月15日に「住宅宿泊事業法(通称:民泊新法)」(※1)が施行され、国を挙げて民泊の普及に努める姿勢が垣間見えます。民泊とは、ホテルや旅館ではない住宅(人の居住のために使われている建物)を宿泊場所として提供するもので、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて増加する訪日観光客の選択肢や便益を高めるという狙いもあります。また、空き部屋を活用して宿泊料を取るという選択肢もあり、貸主の収益にも期待できます。しかし、一方で民泊を禁止するマンションも増加傾向にあるなど、民泊をめぐる議論は活発化しているようです。

民泊をめぐる現状

民泊はもともと、地方の民家に宿泊し、農業や漁業体験をする「農村民泊」を主に指していました。しかし、近年は前述のような民泊仲介サイトの急成長により、個人の家や所有しているマンションの部屋を宿泊用に貸し出す「都市民泊」を意味することが増えてきました。

最近はSNSの普及により、若い世代を中心に現地の生活に入り込む旅に人気が集まっていて、その結果、どこでも同じようなホテルに宿泊するのではなく、現地の暮らしぶりを体験できる民泊の需要が高まっています。特に外国人観光客はAirbnbに代表される民泊仲介サイトで宿泊先を探す人が多く、2016年、日本を訪れた外国人2,400万人のうち、370万人がAirbnbを利用して宿泊したことが明らかになっています。(※2)

しかし、民泊が普及し始めたころに問題となったのが、法律の壁です。宿泊者から対価(宿泊料)を得て宿泊させる場合、旅館業法の規制を受け行政の許可を得る必要がありました。旅館業法では衛生設備や消防設備が義務付けられるなど、厳しい条件をクリアしなければならず営業許可の取得は簡単ではありません。

そこで、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(通称:特区民泊)が制定され、対象区域において条件をクリアすれば民泊営業が可能となりました。しかし、都道府県知事等の認定が必要で、住居専用地域での営業は不可などの制約がありました。

民泊の普及に向けた動き

行政主導で進む民泊推進には、外国人観光客を積極的に誘致していることや、2020年の東京オリンピック・パラリンピックが開催される前後に訪日する人の宿泊施設を確保するためという背景があります。

そこで健全な民泊サービスの普及を図るために2018年6月15日に施行されるのが、冒頭で述べた「民泊新法」です。この民泊新法により、家主(住宅宿泊事業者)や、運営管理代行者(住宅宿泊管理業者)、民泊仲介サイト(住宅宿泊仲介業者)が届出や登録を行うことで、旅館業法の許可を得ずに民泊を行うことができるようになります。

ちなみに民泊新法では、家主が居住しているかどうかで、「家主居住型」と「家主不在型」に分類しています。「家主居住型」は文化をより深く理解するために有意義ですが、「家主不在型」は犯罪や衛生面で懸念が多いと警鐘をならす専門家もいます。

■家主居住型…家主が居住する住宅の一部を宿泊者に貸し出す。ホームステイ型。
■家主不在型…家主が生活の拠点にしていない住宅を貸し出す。投資型。

民泊で利用客を宿泊させる日数は1年で180日を超えられないという制限はありますが、今までにない利用者や提供者のメリットが考えられ、民泊への関心は高まりを見せていくと予想されています。

マンションでの民泊活用

たとえば、親が住んでいたマンション、子どもが独立して使っていない空き部屋を民泊に活用することで、新しい交流が生まれます。余暇を利用して異文化コミュニケーションができ、今までにないやりがいや楽しさを感じることもできます。さらに、上手に活用できれば賃貸より利回りが期待できるため、収益率を重視する人に向けた民泊専用マンションも登場しています。

その一方で、宿泊客とマンション住民のトラブルも発生しています。
■マンション住民からのクレーム例
・廊下にスーツケースが並んでいて、不特定多数が往来している
・深夜の騒音
・ゴミ出しの分別ができない、廊下にゴミ袋が出される
・共用スペースの使い方が徹底されない など

また、部屋を提供する際には、インターネットの情報だけでやり取りすることが多いため、宿泊客から実物のイメージが異なると主張され、クレームになるケースもあるようです。日本人には当たり前でも、文化や習慣の違いがあるので、注意事項はわかりやすく丁寧に説明するなどの対応は不可欠です。

セキュリティが厳しいマンションや高級マンションでは、不特定多数の人の出入りを住民が好まない傾向にあるため、マンションの管理規約で民泊を禁止する物件もあります。管理規約で禁止されている場合には、空き部屋があってもマンション内で民泊はできません。

訪日観光客の増加、民泊仲介サイトの利用、民泊新法の施行というように、民泊を巡る環境は目まぐるしく変化しています。リスクばかりを指摘するのも、また逆に自己の利益ばかり追求するのも適切とは思いません。目的や自分が望む住環境を広く見据えて、より多くの方が満足できる民泊のあり方を自分たちで考えていく必要がありそうです。


※1 民泊制度ポータルサイト
http://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/
※2 日本における経済活動レポート(2017年4月24日)Airbnb Japan株式会社 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000016248.html

<監修> 福知山公立大学教授 中尾誠二

photo: Getty Images

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