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帰宅後5分が分かれ道!散らからない動線づくりと「予防片づけ」

(2019.3.20)

「家事が大変なのは家事のやり方ではなく環境に問題がある」そうおっしゃるのは、知的家事プロデューサーの本間朝子さんです。
前回は、「ワンフロアのマンションだからできる、家事がラクになる部屋づくり」について教えてもらいました。今回も引き続き、本間さんによる片づけ方法を紹介します。
日々の暮らしの中には家事のために動く「家事動線」と、顔を洗う、着替えるという生活のために必要な「生活動線」があります。片づけなどの家事も「生活動線」に組み込むことでムダな動きがなくなり、驚くほど片づけがラクになる方法です。前回の方法とあわせて取り組むことで、よりスムーズな家事、片づけが実現できます。


自然と家事ができる「流れ」をつくる
本間さんがラク家事に必要と考えるのが「流れ」です。日々の動きの中で、無理なく家事ができるようになれば、家事は「あえてするもの」から「自然にできるもの」に変わるのだとか。

「収納に流れをつくれば、普通に暮らしているだけで、家事は“勝手に”片づいていきます。家事に流れをつくれば、迷わず、悩まず、笑っちゃうくらい手際よくこなせるようになります」

勝手に片づく……そんな夢のようなことは可能なのでしょうか。生活の中で「流れ」をつくる、具体的な動き方を紹介します。


部屋を散らかさないポイントは帰宅時にあった!
部屋が散らかっていると感じるのはどんな時でしょうか。実は、部屋が散らかる「魔の時間」があるそうです。

「郵便物やバッグ、買い物袋など、外からドッとモノが持ち込まれる帰宅時は、モノを定位置以外に置いてしまう=部屋を散らかしがちな「魔の時間」。ここでの散らかりが呼び水となって、部屋はどんどん散らかってしまうのです」

確かに、持ち帰ったモノをひとまず置く、着替えをして脱いだ服を置く、そんな動きの中で部屋はどんどん散らかります。「魔の時間」に散らからないようにするにはどんな工夫がいるのでしょうか。帰宅後の「流れ」に片づけを組み込むことで、自然と片づけができてしまうという、本間さんが提唱する「予防片づけ」を見てみます。


①郵便物の選別は、玄関につくまでに
郵便物は、ポストから取り出して家に入るまでに、要るものと要らないものを分けます

②食材が入った買い物袋は、いったんキッチンの調理台に置く
ポイントは、床に置かないということ。床に置いてしまうと、片づけるタイミングをなくしてしまい、いつまでも置いたままになってしまいます

③リビングへ行き、紙類を分類する
カバンを置く場所のそばに、ゴミ箱とハサミを置いておきます。カバンを置いたら不要な郵便物はゴミ箱に、必要な書類は開封してトレーなどに、レシートなどもこのタイミングで決まった場所に入れます

④クローゼットで着替えてから、洗面室へ行き洗濯機へ衣類を入れる
クローゼットで着替えを済ませ、着替えた衣類を持って脱衣所に行き洗濯カゴに入れます

⑤洗面台で手洗いやうがいをする時に、アクセサリーを収納
手を洗うタイミングで指輪やネックレスを外すので、洗面所にアクセサリー置き場をつくると、テーブルなどの上に置かなくなります

⑥キッチンに戻り、買い物袋の中を片づけたら完了
キッチンへ行き、調理台の上に置いた食材や買い物袋を片づけます

いかがですか。なるほどと思うポイントがあるのではないでしょうか。家に帰り、荷物を放り出してそのままソファでリラックス…さあ何かを始めようと思っても、まずは片づけから始めなくてはいけません。そんなシーンと比較すると、帰宅後5分の動き方を考えることがいかに大切かわかります。


生活しながら汚れをつくらないようにする

生活すると汚れは発生しますが、本間さんの考え方は「日々の生活の中で、ちょこちょこ掃除をしてしまう」というものです。

「どういう環境ならちょこちょこ掃除が苦もなくできるのでしょうか。それは、調理中や入浴、歯磨きをしながら、そしてリビングを歩きながら…など、掃除とは関係のない日常生活の動きの中に『ついで』に掃除を取り入れてしまえばいいのです」

そのために必要なのは、掃除グッズをすぐ掃除ができるように近くに置いておくこと。具体的に、本間さんが実行している「生活動線」に掃除を取り入れる方法を教えていただきました。

・寝室への移動タイムは、フロアの掃除タイムに
夜寝る前にリビングのフロアワイパーをベット横に移動します。朝起きたら、そのフロアワイパーを持って掃除しながら廊下やリビングを通ることで掃除ができてしまいます。朝が無理なら夜に逆コースで、リビングから寝室にフロアワイパーをかければOK。これだけで、いつもの動きが掃除タイムになってしまいます。

・浴室、洗面台、トイレは、使用時に「ついで掃除」
お風呂は「ついで掃除」が簡単にできる場所です。シャワーを浴びている時に汚れを見つけたら、置いてある掃除グッズでさっと掃除をします。ボディーソープを掃除ブラシにつけて磨いてもよいです。洗面ボウルも朝の洗顔時や帰宅後の手洗いのついでに洗ってしまいます。トイレは、寝る前に、スプレーして放置すればよい市販の除菌洗浄剤をスプレーしておくと、寝ている間にトイレ掃除ができてしまいます。

いかがでしょうか。帰宅後の「予防片づけ」も日常生活での「ついで掃除」も、家事を「生活動線」に組み込むことで、あえて家事をする時間をとる必要がなくなります。

「手間が消えると、代わりに生まれてくるものがあります。それは『余裕』です。余裕が生まれれば、忙しさに追われず、ゆとりをもって暮らせるようになります。家族のこと、暮らしのこと、自分のこと…『本当に大事なこと』にちゃんと向き合うことができます」

本間さんの言葉から、家事をラクにする動きをつくることで、家族と会話する時間ができたり、心にゆとりをもたらしてくれることがわかります。ご紹介したように、仕組みづくりはとても簡単です。できそうと思うところから、少しずつお試しあれ!

参考図書:
「写真でわかる!家事の手間を9割減らせる部屋づくり」(青春出版社)
「ムダ家事が消える生活」(サンクチュアリ出版)
「『片づく仕組み』のつくり方」(三笠書房)


<監修>


 知的家事プロデューサー 本間朝子

 自身が仕事と家事の両立に苦労した経験から、
 ムダな時間と労力を省く「知的家事」を考案。
 毎月「時短家事セミナー」を無料で自主開催している。
 テレビ出演・著書多数。
 3月13日に新刊「本間式 置くだけ片づけ」(エクスナレッジ)を出版。
 http://honma-asako.com/


photo: Getty Images

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