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これって騒音? 気付かずに出している騒音とその対策

(2019.6.24)
生活時間帯や家族構成が違う人たちが住むマンションで気になるのが騒音です。ピアノの音や赤ちゃんの泣き声など、音を出す側にとっては気にならない音が、他の人にとって不快に感じることもあります。騒音に悩まされるのも避けたいですが、生活しているうちに発生する音が、知らず知らずのうちに他の人に迷惑をかけてしまわないよう注意したいものです。

今回は、マンションでどんな騒音が発生しやすいか確認し、その軽減策をご紹介します。また騒音に悩まされた時はどうすれば良いか、対処法をお伝えします。


騒音はこんなにある
日々の生活の中では、子どもが走る音やテレビや洗濯機の音などいろいろな種類の音が発生しています。音の大きさはデシベル(dB)という単位で表されます。環境省は「生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準(環境基準)」として次のように定めています。

【住居の用に供される地域の基準値】
昼間 55dB以下
夜間 45dB以下

昼間は午前6時から午後10時まで、夜間は午後10時から翌日の午前6時までを指し、当然ながら夜間の基準値の方が厳しくなっています。

ただ、55dBと言われてもどの位の大きさの音か想像がつきにくいです。日常生活をする中で発生する音がどの位の大きさなのかご紹介します。

・人の話し声(日常) 約50〜61 dB
・子どものかけ足 約50〜66 dB
・テレビ 約57〜72 dB
・風呂または給排水音 約57〜75 dB
・掃除機 約60〜76 dB
・洗濯機 約64〜72 dB
・ピアノ 約80〜90 dB
・人の話し声(大声) 約88〜99 dB
・犬の鳴き声 約90〜100 dB

※「生活騒音の現状と今後の課題」(環境省)より


ほとんどの音が環境基準値を超える大きさということがわかります。自分の家で出している音は許容できますが、他人の家から聞こえるこのような音は、騒音となってしまう可能性があるのです。また、ペットを飼っている人は犬の鳴き声は気になりませんが、ペットが嫌いな人にとってはとても不快な音になります。騒音は音が発生する時間帯や、その音を聞く人の生活習慣によっても、ストレス度合いが違ってくる複雑さがあります。

騒音を減らすための工夫

生活に伴って発生する音をなくすことはできませんが、できるだけ音を小さくする工夫をして近隣に迷惑をかけないようにしたいものです。音を小さくするには次のような方法があります。
① 音の発生源を影響の少ない離れた場所へ移す。 (距離減衰)
② 発生源を囲うなど、音の伝わる経路を遮る。 (遮音)
③ 音を吸収する効果の大きい材料を内面にはる。 (吸音)
④ 跳びはね音を和らげるために、ゴム等を使用する。 (制振、防振)

住まいの騒音対策に詳しい一級建築士の井上恵子さんに、家庭内の音が発生する場所で簡単にできる騒音対策を教えていただきました。

・風呂または給排水音
コンクリートの壁を介して隣の住戸と接しているマンションは、給排水音が思っている以上に隣人に伝わっています。マンションを購入する時に排水管に防音シートが巻いてあることを確認し、早朝や深夜時間帯の水の使用はできるだけ控え、流水量を減らすよう心がけます。

・洗濯機
振動を防ぐために、防振マット(ゴム)や消音マットを使用し、早朝や深夜時間帯の使用は控えます。異常な音が発生する時は速やかに修理しましょう。

・ピアノ
夜間や長時間演奏するためには本格的な防音対策(工事)が必要です。防音していない場合は、夜間演奏は止めます。演奏する部屋は、外壁に接していない部屋か隣室への影響が少ない部屋を選び、カーペットや厚手のカーテンで室内の吸音を良くします。演奏するときは、窓や扉を必ず閉め、音量を調節しながら演奏します。マンションは既存のサッシを勝手に取り替えることはできませんが、サッシの内側にインナーサッシを取り付け、二重サッシにすることで遮音性を高くすることができます。

・ドア
ドアの開閉時のバタン!という音も響きやすい音です。音を響かないようにするために、ホームセンターや通販サイトで販売されている「ドアクローザー」をつけ、ゆっくり閉まるよう調整するのもひとつの方法です。「ドアクローザー」は2,000円前後で購入できます。

部屋全体の対策として、布製品には音を吸収する性質があるため、壁のビニールクロスを厚手の布クロスにする、家具も革製品よりも布製品を使用する、壁や天井に厚手の布を張り巡らせてみるといった対策をすることも、防音効果を見込めます。また犬の鳴き声については、食事は決まった時間に規則正しく与え毎日散歩をする、ムダ吠えをしないよう小さい時からしつけをするなど、飼い主としてのマナーが求められます。

子どもがいる家庭でできる対策

小さなお子さんがいる家庭は、子どもの泣き声や走り回る音などがどうしても発生してしまいます。家の中で走らないなどのしつけももちろん大事ですが、あわせて次のような対策をおすすめします。

・床から漏れる騒音対策
マンションに多いフローリングの床は音が響きやすいので対策をした方が安心です。クッション性のあるカーペットやラグ、置き畳など、なるべく厚めのものを敷きます。床の一部に敷くより床全体に敷き詰めた方が効果がアップします。またイスの使用時に発生する音対策として、100円ショップなどでも購入できる「脚カバー」を取り付けると、床材の保護も兼ねることができます。

・窓から漏れる騒音対策
子どもが泣いたり騒いだりしたら、まずは窓やカーテンを閉めて、外に漏れる音を少しでも小さくするようにします。カーテン生地を厚手にしたり、防音カーテンに取り替えても良いでしょう。

・壁から漏れる騒音対策
壁ぎわに本棚やタンスなどの家具を置くと音の伝わりを減らすほか、子どもが壁にぶつかったり壁をたたく心配もなくなります。

騒音に悩まされた時の対処法

マンションで近隣住民の騒音が気になる時はどこに相談したら良いのでしょうか。やってはいけないのは、上の階や隣の部屋に直接クレームを言うことです。騒音に悩む時は、マンションの管理組合(理事会)に相談しましょう。場合によっては施工会社に来てもらい、音の発生源を調査することもあります。

騒音は、住民同士が良好なコミュニケーションを築いていれば、「ご迷惑をかけていませんか」などさりげなく聞くことができ、大きなトラブルになるのを防ぐことができます。隣人や上下階の住民と日頃から挨拶をし、自分が出す音に気を付けることはとても大切。生活する空間に入ってくる他人の音は嫌なものです。普段の生活でどんな音を出しているか見直し、できるだけ音を小さくする工夫をしたいですね。

参考:東京都環境局HP


<監修>

井上恵子
一級建築士/インテリアプランナー 住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所 主宰
総合建設会社でマンションの設計・性能評価などを担当したのち2004年に独立。独立後は「安心・安全・快適な住まい」をテーマにwebサイトでの記事執筆、新聞へのコラム掲載、マンション購入セミナーの講師として活躍。
住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所
http://atelier-sumai.jp/

photo: Getty Images

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