検索フォーム

現在地

物が多くてもすっきりおしゃれになる「見せる収納」のコツ

(2019.12.17)

片付けや整理整頓のお悩みで多いのが、収納不足ではないでしょうか。限られたスペースでは、なかなか収納場所が確保できず、どうしても部屋に物があふれてしまいがち。
けれど、「物が多くても、“見せる収納”を上手に利用すれば、すっきりと快適に暮らせる部屋が手に入ります」と語るのは、ライフオーガナイザーのさいとうきいさんです。今回は、心地良くそしておしゃれに暮らすための、「見せる収納」のコツをご紹介します。

「フォーカルポイント」を意識した片付けや収納を

家全体の物を、毎回きっちりと収納場所にしまい続けることは難しいもの。そもそもスペースが狭かったり、物が多かったり、片付けの時間がなかなか取れなかったりする人も多いでしょう。
そういった人におすすめなのが、「しまう収納」だけでなく、オープンな形で物を整理整頓する「見せる収納」。あえて見せる収納を意識する方が効率的に片付き、部屋がおしゃれに見えるケースもあると、さいとうさんは話します。

また、見せる収納を上手に取り入れられれば、物をどこにしまったかわからなくなってしまうストレスも減らせます。

「部屋の出入口から室内へ1歩進んだとき、真っ先に視界に飛び込んでくる場所を“フォーカルポイント”と言います。ここはズバリ、部屋の見せ場。フォーカルポイントが美しく整っていると、そこに視線が集まるため、他の場所が多少散らかっていても、部屋全体のイメージが良くなると言われています」
そのため、フォーカルポイントを、見せる収納で意識的に美しく整えておくだけでも、部屋がすっきりと素敵なイメージに見えるでしょう。


フォーカルポイントは、一般的に言えば、和室であれば床の間、洋室であれば暖炉など、人の視線を集める場所です。床の間や暖炉などがなくても、ドアを開けて最初に目に入る場所がフォーカルポイントになることが多いとも言われています。
とは言え、家や部屋の構造によっては、フォーカルポイントがない、どこかわからない……というケースもありますよね。その場合は、部屋を写真に撮ってみると、目立つ場所が客観的にわかるのでおすすめです。また、見せる収納で、フォーカルポイントを作ることで、自分が部屋の中心にしたい場所や、意識を向けたいお気に入りの場所に人の意識を集中させることもできます。

それでは、どのようにすれば、誰でも簡単に見せる収納ができるのかお教えします。

実用品や掃除道具をインテリアにする

狭い家や小さな部屋の場合、小物や雑貨を飾るスペースにも限りがあります。でも何も飾らないと、部屋が寂しい感じや地味な印象になり、かえって落ち着きません。そこでさいとうさんがご自宅で実践している『実用品や掃除道具をインテリアにする』というアイデアをご紹介します。

・オープンシェルフなどに、絵になる実用品を飾る

さいとうさんのご自宅では、お気に入りのおしゃれな保温ポットや急須、ケーキスタンド、重箱、ワインボトルなどをオープンシェルフに収納しているそうです。中でも重箱は、見せる収納によって目に入る頻度が増えたことで、お皿代わりにも使うようになるなど使用頻度もアップ。小物や雑貨は飾りっぱなしになりやすく、知らない間にホコリがたまって掃除が大変……という悩みがありますが、毎日のように出し入れする実用品を見せる収納にすれば、ホコリがたまる暇はありません。おしゃれな日用品を収納しながら飾れてテンションが上がる、出し入れしやすいので使い勝手も良くなる、ホコリもたまりにくくなる……と、一石三鳥の見せる収納です。

・美しい掃除道具を見せる収納にして、掃除に取りかかりやすくする

生活感を抑えた素敵なデザインの掃除道具も、見せる収納には最適なアイテムです。さらに、掃除道具を手の届きやすい場所に出しっぱなしにすると、気が向いたときに「ついで掃除」や「ながら掃除」がしやすくなるというメリットもあります。さいとうさんは、おしゃれなはたきをダイニングのシェルフに、フローリングワイパーをリビングに置いて収納。掃除の時間が楽しくなった上に、ご主人やお子さんも、気付いたときに掃除をしてくれるようになったとのこと。

いずれもちょっとした工夫ですが、見せる収納によって、好きなデザインの実用品が目に入る位置にあるのは心地良いもの。さらに、掃除のしやすさや時間短縮にもつながります。

誰でも簡単に、見せる収納をすっきりまとめるコツ

使いたい時に使いたい物をすぐ手に取れる状態にすることは、収納の大切な要素です。しまい込むと使いづらくなってしまう物は、外に出しっぱなしの見せる収納にする方が、出し入れのアクションを減らせて管理がスムーズになるでしょう。

「例えば我が家の場合、洗面所のコップやハンドソープ、キッチンの食器用洗剤、アルコールスプレーなどは、見せる収納にしています。この見せる収納をすっきりまとめるコツは『統一感を持たせる』『そろえて置く』『余白をもうける』の3つだと考えています」

さいとうさんが実践している、見せる収納のコツをご紹介します。

・統一感を持たせる
見せるアイテムの色や素材などを統一することで、失敗せずにまとめられます。テイストの異なる物でも、色や素材に共通点があれば、バランス良くあか抜けた雰囲気に見せられます。例えば、色や形が不ぞろいな調味料のボトルなどを、おそろいの容器に詰め替えて飾る、収納ケース自体を同じシリーズでそろえることなどは、誰でも取り入れやすいアイデアでしょう。

・そろえて置く
物を見える場所に並べるだけではなく、同系列のアイテムや似ている雑貨はそろえて置くのが、すっきり見えるコツです。細かい物や小さい物を並べるときは、トレーなどを使うのもおすすめ。トレーの上に小物をのせるだけでまとまりが生まれ、美しく整って見えます。また、トレーごと持ち上げて拭き掃除も簡単にできます。また、日用品を1ヵ所にそろえて見せる収納にすると、何が残り少ないか、何が不足しているかも一目瞭然。視覚的に、日用品のストック管理がラクになります。

・余白をもうける
見せる収納は意識的に余白を持たせる方が、不思議と空間がすっきりして見えます。限られたスペースを活用しようと余白なく物を詰め込むと、部屋の圧迫感や窮屈さが増してしまうようです。扉がなくてオープンな家具や棚などの収納量も重視して、見せる収納にしたい場合は、大きい物や重たい物は下段に、小物や雑貨は上段に入れて、上に余白ができるようにするのが良いでしょう。上の方に抜けができると、すっきりして見えます。

部屋が素敵に整わないのは「狭いから」「収納スペースが少ないから」と思っている人は多いでしょう。しかしさいとうさんからは、「収納で大切なのは『見せる』と『しまう』のメリハリです。たとえ部屋が狭くても、見せる収納のアイデアや工夫で、インテリアを楽しみながら快適に暮らせます」とアドバイスをいただきました。

今回の見せる収納のアイデアの中から、1つでも暮らしに取り入れてみるだけで、部屋がおしゃれになり、家事の負担も減るかもしれません。ぜひ興味があるものを試してみてくださいね!

参考図書:
「狭くてもすっきり暮らせるコツ61」(宝島社)
「ものが多くてもできるコンパクトな暮らし」(すばる舎)
<監修>

ライフオーガナイザー さいとう きい
片付け支援以上の暮らしの最適化をお手伝いするライフオーガナイザー。ニューヨークやホーチミン、東京などの60平米未満の小さな部屋で暮らした経験を元に、「スモールスペースを最大限に活用して、スッキリ片付いた暮らし」を提案しています。現在は、小さな子どもとの「(ママがラクして!)スッキリ快適な暮らし」を目指しています。『狭くてもすっきり暮らせるコツ61』(宝島社)、『ものが多くてもできるコンパクトな暮らし』(すばる舎)などの著書あり。

photo: Getty Images


関連リンク


帰宅後5分が分かれ道!散らからない動線づくりと「予防片づけ」
ワンフロアのマンションだからできる、家事がラクになる部屋づくり
大掃除は今年で卒業!時短でできる大掃除+汚れを予防する部屋づくり
コラム一覧はこちら

でんき案内板 おすすめメニュー


電気料金明細の確認はこちら