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オートロックに頼らない! 知っておくと安心なマンションならではの防犯術とは?

(2020.4.30)

最近のマンションは、オートロックが当たり前になり、防犯カメラも設置されるなど、セキュリティは強化されています。オートロックということで、気を抜く人も少なくないようですが、油断は禁物。マンションならではの防犯にはどんなことがあるのでしょうか。今回は、マンションの防犯で気を付けるポイントについて、安全生活アドバイザー・佐伯幸子さんに聞きました。


マンションの侵入窃盗の侵入手段は?
マンションならではの防犯対策には、ファミリー層や一人暮らしにも人気のオートロックがあります。基本的に鍵がないとエントランスより先に入ることができないので、防犯対策としてはおすすめです。

「ただし、オートロックで見知らぬ人を一緒に入れてしまう、防犯カメラが設置されていないなどの場合、無意味ですね。建物の一次防衛線をオートロックと考えれば、各戸の部屋の鍵は二次防衛線。部屋の施錠さえしっかりしてあればほとんどは大丈夫なはず。二重にガードとなりますから」と佐伯さん。

実際、警視庁の「平成30年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況」によれば、4階以上の共同住宅への侵入手段では、1番多いのは「無締り」、2番目が「ガラス破り」、次いで「サムターン回し」「ピッキング」などの「施錠開け」です。
無締りとは、無施錠のこと。特に3階以上は、窓やベランダからよりも玄関からの侵入が多いそうです。



マンションは貴重品の置き場を特定されやすい!?
マンションだけではありませんが、物件の多くは、販売の際、間取りなどがサイトで公開されています。あまり神経質になることはありませんが、悪意ある人が間取りを見れば、およそどこに何があるかわかるという場合も。また、マンションの間取りは似通っているものが多いため、貴重品などの置き場所が推測されやすいというデメリットがあるようです。予防法を佐伯さんに伺いました。

「とにかく“侵入されないこと”を一番に考えて防犯対策をしましょう。自宅が知られるような個人の情報はSNSには出さないなど注意は必要ですね。あとは、玄関ドアや窓などの鍵をしっかり締める、という超アナログな行動に尽きます」


また、マンションの場合、一度侵入してしまえば、ベランダなどをつたって隣室や、上下階への移動も不可能ではなく、複数戸の被害も考えられます。「最上階だから」「高層階だから」など、油断は禁物。
しかし、出入りできる場所=玄関ドア、ベランダ、窓などの施錠さえちゃんとしていれば侵入を防ぐことができます。鍵がしっかり締まっているのはもちろん、さらに防犯グッズやセキュリティ用品でガードがしてあれば、被害に遭うことは避けられます。そのガードをどこまでできているのかが結果に差をもたらすことにも繋がります。


空き巣予防には、自宅をよく見て把握しておくことも大事
家の玄関のドア付近など、玄関周辺に記号のようなものが記されていることに気付いたことはありませんか? これは、玄関マーキングと言われています。玄関周辺のほか、郵便受けなどに記されていることもあるようです。その記号のようなものは数字やアルファベットなどさまざまで一概に「これ!」とは言い切れません。このマーキングの意図は、諸説あるようですが、そのひとつは空き巣が侵入する部屋を見極めているという説。

佐伯さんによれば、防犯のためには「とにかく自宅の隅々まで日頃からよく見て把握すること」が大事なのだとか。異状があったらすぐに発見できるかどうかで結果が違ってくるそうです。対応方法はあるのでしょうか?

「不審なマークを見つけたらすぐ消すこと。シールなら剥がします。玄関周りのほか、マンションなら集合郵便受けやメーター部分などもチェックしましょう。自分の家という認識と日頃から「異常はないか?」という意識が大切です」。


入居時には、賃貸なら鍵が交換されていることを確認し、分譲の場合は防犯性能が高い錠を選びましょう。もちろん、ピッキングやサムターン回しなどの手口に耐えうるCP認定錠(官民合同会議によって防犯性が高いと評価されている)が望ましく、防犯上有効だと言えます。しかし、無施錠だったら、元も子もありません。防犯術の基本は、玄関はもちろん、建物の何階であってもベランダや窓の施錠にも気を付けること。侵入されないための備えと施錠を確実にしていれば、侵入被害に遭う確率は下げられます。

またここ最近は、新型コロナウイルスの影響で、外出自粛やテレワークなどで家族が家にいることが多く、住宅では「居空き(人が在宅している間に侵入)」や「忍び込み(家人の就寝中の侵入)」の危険性は高まりそうです。換気のために窓やドアを開け放していて侵入されることも考えられるので、戸締りには厳重注意が必要です。
また、子どもが留守番をしている場合に、子どもと空き巣が鉢合わせするニュースもありました。子どもだけで留守番させる時はくれぐれも戸締りをしっかりして、インターホンが鳴っても出ない、電話にも出ないなど親子で約束しておくと安心ですね。
子どもだけで留守番させる時の注意点は、ぜひこちらをご覧ください。

<監修>


All About「防犯」サイト、安全生活アドバイザー・佐伯幸子

All About「防犯」サイト
https://allabout.co.jp/gm/gt/71/

住まいや子ども、女性、高齢者などの安全対策を中心に、暮らしの中のあらゆる場面での危険を指摘、排除する方法を分かりやすく解説。日常的な危機管理のスペシャリストとして、講演やTV出演をこなす一方、著書10冊の執筆など精力的に活動している。


photo: Getty Images


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