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誰でもチャレンジできるリボベジの育て方とは?

(2020.11.20)

新型コロナウイルスの感染拡大防止による外出自粛時に、豆苗などの再生野菜の成長をSNSなどにアップしている人が増えました。コロナ禍で一躍注目されたリボベジですが、育てる楽しみの他にも、食べられるのはもちろん、インテリアとして観賞することも。今回は、野菜ライフスタイリストである伊嶋まどかさんに、リボべジについてお話をお聞きしました。


「リボべジ」って何?
リボべジは「リボーンベジタブル」の略で、再生野菜という意味。調理では使わず捨ててしまいがちな野菜のへたや根っこなどを、水につけて育てるとぐんぐん育ちます。捨てられてしまいがちな部分から葉が育つためリボーン(再生)なのです。

これまでも、庭やベランダで野菜の種や苗を植えて育てる家庭菜園はありましたが、水やり、肥料やり、虫の駆除など、管理は何かと面倒。家で新鮮な野菜を作るのは魅力的だけど、ハードルが高くて手が出せない…という方も多いのでは?

そんな方には、リボベジがおすすめです。伊嶋さんも「野菜や植物を育てる時に失敗はつきもの。イメージしたようにいかないこともあると思います。まずは身近な野菜など、育てやすいものから始めてみましょう。失敗してもくじけず、またチャレンジできる手軽なものから始めると良いですね」とのこと。園芸ビギナーも気軽にリボベジから挑戦してみませんか?

<リボべジのおすすめポイント>

1 すぐに始められる
捨ててしまいがちな野菜のへたや根っこなどを使うので、家庭菜園のように種や苗を買いに行く必要なし。水耕栽培だから土もいりません。しかも、プラスチック容器やコップ、お皿などで栽培できるので、プランターや鉢なども不要です。

2 初心者でも育てやすい
へたや根っこの切り口が浸かるくらいの水を容器に入れたら準備完了。お世話は毎日新鮮な水に替えるだけ! 室内のなるべく明るい場所に置いておいたら、あとは何もしなくてもすくすく育ってくれます。日当たりが良すぎると水が乾いたり腐ることもあるので注意しましょう。

3 節約になる
捨てるはずのへたや根っこから野菜が収穫できるなんて、まさに「二度おいしい」話。
「サラダに彩りが欲しいな」と思った時に、目の前にあるリボべジをキッチンバサミでチョキチョキ収穫して添えるなんてこともでき、ちょっとエコ&便利です。

4 オシャレなインテリアにもなる
お気に入りの器でリボべジを育てたら、グリーンインテリアとしてお部屋のアクセントにも。元気に育っていく野菜の葉っぱは、癒し効果も抜群です。

5 子どもがいるご家庭なら食育にもなる
リボベジを育てることで、キッチン周りの衛生管理、水や光、温度の管理の重要さなどを知ることができます。これは、子どもにとって食育にもなります。何よりチョンとつまんで、洗って、朝のスープやパンに乗せて食べる、というアクションは子どもにも楽しいはず。野菜の成長はわりと早く、できたものは食べることで、「自分でもできた」という達成感も生まれます。自分で育てると、野菜が苦手な子どもでも食べてくれることも多いのだとか。学校の自由研究の題材にもおすすめです。

育てやすい豆苗から始めてみよう。
リボべジビギナーは、失敗しにくい豆苗から始めてみると良いかもしれません。豆がついた根っこの上は切って調理に使い、残った根っこ部分を浅めに水をはった容器に入れます。

ただし、水を使った栽培は、腐ったり、干からびたり、枯れてしまうことがあります。「簡単とは言え、こまめなチェックが必要で、意外と手がかかります」と伊嶋さん。

また「よく日当たりの良い場所に置きましょう」と書かれていますが、直射日光は避けましょう。「比較的小さな容器で育てるので、日が当たりすぎたり、ほったらかしにしていると帰宅したらカピカピになっていた、という話はよく聞きます。直射日光の当たらないお部屋の明るいところに置きましょう。できれば、室温が20〜25度くらいに安定しているところがおすすめです。さらに、お仕事などで日中外出する方は、薄いカーテン越しに置くなど、日当たりが変化することを考慮した方が良いですね」と伊嶋さん。

小さな容器だと、それだけ水の蒸発も腐敗も早いもの。置き場は、こまめに確認するためにも、窓や日差しがあれば、目につきやすく食べ物として意識しやすいキッチンまわりが適しているそうです。

水を使った野菜の栽培は、水をこまめに替えましょう。チェックを怠ると雑菌の繁殖を招くことがあります。よく水替えは最低1日1回と書かれていますが、回数にこだわるのではなく「毎日」「こまめに様子を見る」「見える場所に置く」のがポイントです。

数日で新しい芽が伸びてきて、1週間もすれば買ってきた時と同じくらいに成長。そうなったら収穫時です。食べる時はよく洗うこと。また2度目からの収穫では軸の部分が硬いこともあります。一度茹でる、湯通しするなど調理の方法を考えるのも、おいしく食べるための工夫です。

<他の野菜でも試してみよう>

豆苗でリボべジの魅力を知ったら、他の野菜にもチャレンジしたくなりますよね。リボべジにおすすめの野菜を紹介します。


●ねぎ
根元から5cmくらいカットし、根っこを水に浸けます。水を含ませたスポンジに挿してコップなどの細長い容器に入れると、倒れにくくなります。再生力が強く失敗しにくいので、豆苗の次に育ててみると良いでしょう。

●水菜/小松菜
水菜や小松菜の場合、根付きのものを使います。根っこから3㎝上くらいをカット。コップなど細長い容器に水を入れ、日当たりの良い場所で育てます。水を交換する時、根元のぬめりを洗い流すと育ちやすくなります。

●大根/にんじん/かぶ
大根やにんじんは、普段食べている根の部分ではなく、葉を育てます。大根やにんじんの葉の部分は緑黄色野菜で栄養豊富です。へたの部分をやや厚めに切り、へたの表面だけ水に浸かるようにして育てます。へたの上部が水に浸からないように、バットなど平たい容器で育てると良いでしょう。

このほか、伊嶋さんによれば、根みつば、せり、バジル、ミント、にんにくなども再生野菜として栽培できるそう。実際に再生野菜を育てることで、グリーンがある暮らしが楽しくなったと思っている方もいるのでは。植物がすくすくと育つ様子は気分を上げてくれますよね。


リボべジは、捨ててしまいがちな野菜が、育てる、鑑賞する、食べるという3つの楽しみを与えてくれる上に、子どもがいる家庭では食育になったり、少し節約にもなるというスグレモノ。気軽に始められる手頃さも魅力です。コロナ禍でまだしばらくは家で過ごすことが多そうですが、グリーンライフを楽しんで気分転換をしてみては?


<監修>

伊嶋まどか
野菜ライフスタイリスト・編集者。「アトリエハル:G」主宰。本の編集や生産者への取材、また各国への旅を通して、野菜やハーブ、薬膳など食材の面白さを学ぶ。現在は、漢方の考え方を取り入れて身近な食材で楽しむ薬膳ワークショップ、カルチャーセンターでの講座などを受け持つ。そのほか食や健康美容、レシピ、漢方に関する書籍の企画編集多数。テレビ・雑誌など幅広く活動中。漢方上級スタイリスト、養生薬膳アドバイザーの資格を持つ。監修本に『キッチン&ベランダ菜園』(ブティック社)『今日からはじめよう!おうちでカップ野菜』(Gakken Mook)など。

暮らしの出版物とワークショップ
アトリエハル:G
https://halu-g.jp


photo: Getty Images


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