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速く乾いてにおわない!“洗濯ハカセ”に聞いた部屋干しのメリットとコツ

(2021.6.25)

梅雨時は、洗濯物を外に干せないのが悩みの種です。いつまでも乾かず、洗濯物から嫌なニオイがし始めるので、この時期の洗濯が憂うつになるという方も多いのでは? でも、部屋干しにはメリットもあるのです。部屋干しのメリットを生かすべく、梅雨時期だけでなく年中活用できる、速く乾いてにおわない部屋干しのコツを、“洗濯ハカセ”の神崎健輔さんにお聞きしました。

※この取材はオンライン会議ツールを使い、リモートでインタビューしたものです。

洗濯ハカセが部屋干しをすすめる理由
部屋干しは、外に干せないときにしかたなくするものというイメージです。晴れた日ならなるべく外に干したいという方が多いのではないでしょうか。ところが、「部屋干しならではのメリットもある」と神崎さん。神崎さんは、365日部屋干しをされているそう。

「花粉や黄砂、砂ボコリなどがつかないので、アレルギーのある方は部屋干しのほうが安心です。下着など、人目が気になる洗濯物も、部屋干しなら気にせず堂々と干すことができますし、風の強い日に洗濯物が飛んでいく心配もありません。また、天候や時間を気にせず洗濯ができることも、部屋干しならではのメリットですね」

アレルギーがある場合や、お気に入りの衣類などを大事に扱いたいという方は特に部屋干しがおすすめ。洗濯は、日光に当てなくてはならないということはない、と神崎さん。

「むしろ、部屋干しなら、太陽光に含まれる紫外線によって洗濯物が色あせするのを防げるので、大事な衣類などを長持ちさせることもできます。陰干しの表示があるものは、紫外線が当たらない日陰で干さないと色あせてしまいます。室内干しのときも、ガラス越しでも紫外線は入ってくるため、日当たりのいい場所は避けましょう」

しかし、部屋干しというとなかなか乾かない、ニオイが心配…という声も。

部屋干しでも速く乾き、ニオイが気にならない方法もあるという神崎さんに、部屋干しのコツについてお聞きしました。

部屋干しのコツは、「温度・湿度・空気の流れ」
室内干しは乾かすのに時間がかかるものなのでは…と思っている方も少なくないのでは。速く乾かすためにはどうすればいいのでしょうか?

「洗濯物の乾き方を左右するのは、温度・湿度・空気の流れ。温度は高いほど、湿度は低いほど、空気の流れは大きいほど洗濯物が乾きやすくなります。
雨の日は、外の湿気が入ってこないように窓を閉め切りにしがちですが、見通しが良いときは湿気が少し低めなので、窓を開けて空気を入れることで乾きやすくなります。ただし、霧が出ている場合は、外のほうが湿度が高いことが多いです。そのようなときは、室内に湿気が入ってこないように窓を閉め、エアコンや除湿器で湿度を下げましょう」

室温・湿度がコントロールされていて、空気の流れがある場所が部屋干しに向いているとのこと。では、家の中ではどこが最も適しているのでしょうか?

「リビングですね。その理由は、リビングは家族が長い時間を過ごす場所なだけに、快適に過ごせる室温・湿度がキープされ、換気もされていますよね。人が過ごしやすい場所は、洗濯物にとってもベストな場所なのです」

浴室に洗濯物を干す家庭は多いようですが…浴室に干してもいいのでしょうか?

「浴室はどうしても湿度が高くなってしまいがちです。換気扇をつけて風通しを良くしても、洗濯物が乾きにくい場所です。特に浴室乾燥機がついていない浴室に干すのは、できれば避けましょう。むしろ、浴室よりトイレのほうが乾きやすいですよ。浴室のように湿度が高くなく、梅雨時期なら室温が低くないので、換気扇をつけて空気の流れを良くすれば、洗濯物を干す場所に使えます」

速く乾かすには、空気の流れを作ることが大切とのこと。では、空気の流れはどのように作ればよいのでしょうか。

「サーキュレーターをお持ちであれば、サーキュレーターで室内の空気を循環させると洗濯物の乾きが1~2時間速くなります。風は直接洗濯物に当てる必要はありません。空気の流れを作ればいいのです。扇風機でも同じような効果が得られるので、サーキュレーターはないけど扇風機ならあるというご家庭は、扇風機を活用するといいですね」

温度、湿度、空気の流れとともに取り入れたいのが、干し方。速く乾かすためには干し方にもコツがあります。

<洗濯物の干し方のコツ>

・空気が通りやすいように干す
「外干しのときは、下着が見えないように、外側にタオル、内側に下着という干し方をしていることもあるでしょう。しかし、部屋干しではNG。空気の通りが悪くなり、洗濯物の水分が蒸発しにくいため、乾きが悪くなります。洗濯物を覆うことなく、すべての洗濯物に空気が通りやすいように干しましょう」

・できるだけ高い場所に干す
「湿気は低いところにたまりやすく、周囲の湿度が高いと洗濯物の水分が蒸発しにくくなります。そのため、できるだけ高い場所に干したほうが早く乾きます」

・パンツ類は裏返して干す
「ジーパンなどのパンツ類はポケットの内側が乾きにくいものです。裏返しにして干すことで乾きやすくなります」

■部屋干しにおすすめの物干し
部屋干しの悩みは干す場所、というご家庭は多いのではないでしょうか。限られた空間を有効活用できる部屋干しにおすすめの物干しがいろいろ出ているので、ご家庭にあうものを探して活用してみてください。

・ベルメゾン 部屋干し用伸縮速乾ハンガー

(画像提供:ベルメゾン)

エアコンに掛けて使う室内物干し。エアコンの風が当たるので、乾きが良くなります。バスタオル約3枚+ズボン約2枚+ワイシャツ約4枚程度が干せ、使わない時はコンパクトに折りたためます。

4400円(税込)幅70~90×奥行27~33×高さ48~70cm(約)耐荷重量約5kg
https://www.bellemaison.jp/ep/srvlt/EPFB00/EPFB0005/dProdDtlShow?BELN_SHOP_KBN=100&KAT_BTGO=B72872_441_2013_H&SHNCRTTKKRO_KBN=03&KIKK_HBN_HYJ_KBN=t

部屋干しで気になるニオイの防ぎ方

速く乾けばニオイは防げるとのことですが、ニオイのもとは何でしょうか。

「部屋干し中に、洗濯物から発生するニオイのもとは、衣類に残っている雑菌です。干してから6時間くらい経過すると、「くさい」とわかるくらいのニオイを発するようになります。
嫌なニオイを防ぐには、雑菌が大量に繁殖する前に乾かすに限ります。例えば、朝9時に干したら午後4時ごろには取り込める状態であれば、ニオイは発生しにくいです。

私が実験したところ、抗菌効果の高い洗剤と柔軟剤を使って菌の繁殖を抑えると、8時間くらいまでニオイの発生を遅らせることができました。8時間あれば部屋干しでも乾かせるというご家庭が多いのではないでしょうか」

時間以外にも、ニオイの原因があると神崎さんは言います。

「洗濯で落としきれなかった汚れそのものからニオイが出ていることがあります。しかも、汚れは雑菌のエサになり、雑菌の繁殖を盛んにします。ニオイを防ぐには、汚れをしっかり落とすことも重要です」

というわけで、ニオイのもとを防ぐ方法も教えていただきました。

<ニオイを防ぐ洗濯のコツ>

・洗濯機に詰め込みすぎない
「洗濯機に洗濯物をぎゅうぎゅうに詰め込むと、汚れ落ちが悪くなります。洗濯機の容量の7~8割を上限と考え、洗濯物が多いときは分けて洗いましょう。汚れが気になる時は、5割くらいに減らして洗うのがおすすめです」

・洗濯槽は年に2回は掃除して清潔に
「洗濯槽が汚れていると、洗濯している間にその汚れが衣類につき、汚れ残りの原因になることがあります。洗濯槽は月1回掃除するのが理想ですが、少なくとも年2回は掃除をしましょう。年末と6月に掃除をすると決めておくと、とくに部屋干しが多くなる時期に洗濯槽がピカピカになっていて良いですね」

■部屋干しにおすすめの洗剤&柔軟剤
洗濯物の嫌なニオイのもととなる菌の繁殖は、洗剤や柔軟剤でも防ぐことができます。部屋干しにおすすめの洗剤&柔軟剤も出ているので、部屋干しで洗濯物のニオイが気になる…という方は活用すると良いでしょう。神崎さんに選んでいただきました。

・ライオン トップ スーパーNANOX ニオイ専用

(画像提供:ライオン)

左からプッシュボトル400g、本体(大)660g ともにオープン価格
https://top.lion.co.jp/products/nanox-nioi/

・P&G レノア超消臭1WEEK部屋干し用 花とおひさまの香り

(画像提供:P&G)

530ml オープン価格
https://www.myrepi.com/brands/lenor/honkaku-heyaboshi-dx-refresh-herb/


“洗濯ハカセ”に聞いた洗濯マメ知識
洗濯を楽しくキレイに、をモットーに洗濯のプロとしてご活躍している神崎さんは、洗濯・シミ抜き職人でもあります。そんな神崎さんに、洗濯物がよりきれいに、ふわふわに仕上がる方法についてもお聞きしました。


その1 食べこぼしや皮脂汚れには食器用中性洗剤が効く
「食べこぼしの多くは油汚れで、皮脂汚れも油汚れです。油は水をはじいてしまうので、洗濯機でそのまま洗うと水に含まれた洗剤成分が浸透せず、汚れが落としきれません。油を落とす力が強いのは食器用中性洗剤です。これを汚れ部分に塗布し、なじませてから洗濯機へ。このひと手間で、汚れ落ちがグンと良くなります」

その2 「バサバサ20回」でタオルがふわっふわ!
「タオルがごわごわになる原因は、生地表面のパイル(輪っか)が洗濯によって寝てしまうから。パイルを立たせて空気が間に入るようにすれば、“ふわふわ感”はいとも簡単に復活します。干す前にタオルを10~20回バサバサと振り、パイルを立たせましょう。ちょっとしたエクササイズにもなり一石二鳥です」


神崎さんが教えてくれた部屋干しテクは、どの家庭でもできることばかり。今日からでも「におわない部屋干し」が実践できます。部屋干しストレスを減らせたら、梅雨の時期も快適に過ごせそうですね。


<取材・監修>

洗濯ハカセ・神崎健輔
長崎の南島原市にある老舗クリーニング店老舗「クリーニング店「白洋社」部長。
1981年長崎県生まれ。実家がクリーニング店を営んでいたため、小さな頃から洗濯が得意で、「もっと洗濯がキレイに楽にできる方法」の研究を日夜行っている。洗濯・しみ抜きのプロ“洗濯ハカセ”として、家庭でもできる洗濯、シミ抜きテクをブログで配信。メディアにも多数出演。

画像:Getty Images

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