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爬虫類ならマンションでも飼える?神秘的な魅力に迫る

(2018.6.21)

ペットと聞いてイメージするのは犬や猫ですが、最近はトカゲやカメなどの爬虫類を飼育する人が増えているようです。その背景には、爬虫類の飼育に必要な器材の充実や飼育下で繁殖させた個体(CB: captive breeding)が増えたことなどが挙げられます。

なかでも人気なのが、愛らしい表情や動きを楽しめる「ヒョウモントカゲモドキ」や「リクガメ」、そして飼育に手がかからない「コーンスネーク」など。そんな爬虫類の魅力、実際の飼育方法や飼育時に注意すべき点などを紹介します。

爬虫類の人気の秘密とその魅力とは?
ペットを飼いたいけど出張などで家を空けることが多い人や、マンションで近隣住民の迷惑になるからと諦めている人にとって、爬虫類は魅力的です。犬や猫より手がかからず、次のようなメリットがあります。

<爬虫類をペットにするメリット>
・犬のように定期的な散歩が不要
・鳴き声が近所迷惑になることがない
・爬虫類そのものは臭わない
・ペットの毛に対するアレルギーや喘息の心配がいらない
・美しい光沢や神秘的な姿を楽しめる

爬虫類とは犬や猫のようにコミュニケーションをとれないと思いがちですが、小さなうちから育てることで飼い主に馴れ、ときどき触ったり、手に乗せたり絡ませるハンドリングを楽しむことができます。上手に飼えば10年以上生きる個体もいるため、長い間をともに過ごしてくれる大切な家族の一員になります。

人気の爬虫類の飼育法
爬虫類(トカゲ、カメ、ヘビ)の飼育環境の整え方や注意点を紹介します。明確な希望がある場合はブリーダーから購入することもできますが、ペットショップで希望や自宅環境などを相談して決めた方が安心です。飼育器材もアドバイスを受けることをおすすめします。飼育にあたって、必要となる基本的な器材は下記の通り。

<飼育に必要な主な器材> ※爬虫類の種類によって異なります
・ケージ(飼育用ケース)
・床材
・水入れ
・シェルター(休息や隠れ家となるもの)
・ヒーター(ケージの底部から暖める)
・温湿度計
・餌

ここからは、人気を集めている爬虫類の飼育ポイントをまとめてみました。

■ヒョウモントカゲモドキ
愛くるしい表情やカラフルな色彩が人気です。女性でも飼いやすく、爬虫類を飼うならまずヒョウモントカゲモドキともいわれる存在です。
飼育スペース:
広い飼育スペースは必要ありません(※1匹ならケージ幅30cmで大丈夫)。
飼育上の注意点:
ケージ内で温度差をつけるようにするのが理想的。冬場の乾燥は大敵なので、加湿器でケージを置いている部屋の湿度をコントロールします。餌は昆虫が主で、野菜は食べません。生きている虫が一般的ですが、慣らせば乾燥飼料も食べるようになります。

■リクガメ
ゆったり動く姿や、むしゃむしゃ野菜を食べる姿に癒やされます。爬虫類は苦手でも、カメなら大丈夫という人も多いはず。
飼育スペース:
運動量が豊富なため、広さがあるケージが必要です(※甲長8cmの子ガメでもケージ幅60cm以上)。成長すると広いスペースが必要なため、購入時にどれくらい大きくなるか必ず確認しましょう。
飼育上の注意点:
甲羅の形成に必要な紫外線を浴びる必要があるので、熱をもたらすライトと紫外線を照射するライトを1日10〜12時間使います。ケージ内でもっとも温度が高くなる場所(ホットスポット)にスポットライトを当て、熱を集める石を置くとそこに乗ったりすることで体温調節します。餌は野菜が中心です。繊細な動物なので丁寧に世話をする必要がありますが、上手に飼えば30年以上は生き続けます。


■コーンスネーク
餌やりの頻度が少なく、飼いやすさ以外にも、神聖さを感じる、外見や腕に巻きつけるハンドリングが楽しめるのも人気の理由です。
飼育スペース:
運動量が少なく、全長の半分の長さのケージで充分です。脱皮前に皮を柔らかくするために水に入るので、とぐろを巻いて入れる大きさの水入れを準備します。
飼育上の注意点:
ケージ内の温度が30℃前後になる場所を作るのが理想ですが、それほど厳格に温湿度を管理する必要はありません。餌は冷凍マウスを解凍して与えます。冷凍マウスは、通販で購入できます。生後2年くらいまでは週2回、その後は週1回の餌で充分です。


爬虫類をマンションで飼う際の注意点

飼育グッズも充実し、確実に飼いやすくなっている爬虫類ですが、もちろん注意点もあります。最後にマンションで飼う際に気をつけたいことをまとめました。

・マンションで爬虫類が飼えるか
マンションの契約書や管理規約で、爬虫類の飼育が禁止されていないかを必ず確認しましょう。たとえペット可のマンションで爬虫類を禁止する文言がなくても、通常、ペットとは犬や猫を想定している場合が多いため、飼う前に管理組合に確認すると安心です。

・脱走や感染症の防止
蓋がついたケージで飼育し、部屋のすき間から外に出ないよう部屋に施錠をするなど、部屋から逃げ出さないようにしておくことが必要です。
危害を加える可能性がなくても、マンション住民には爬虫類が苦手な人もいます。また、外来種が自然界に逃げれば、在来種や生態系に影響を与えることもあります。

また、爬虫類は人に感染すると下痢を引き起こすサルモネラ菌などの病原菌をもっていることがありますが、触った後に手洗いをすれば大丈夫です。噛まれたり、引っかかれたりした場合は消毒し、それでも心配な場合は病院に行きましょう。

・飼育に関係する法律に抵触しないか
飼育を考えている爬虫類が、「動物愛護管理法」で定められた特定動物に該当する場合、飼育前に都道府県知事などの許可が必要となります。また、「種の保存法」に記載される希少動物は認定機関での登録が必要です。

飼育環境の整備や餌やりは必要ですが、犬や猫と比べれば、忙しくても飼うことができるのは嬉しいところ。ペットの選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。


<参考書籍>
「ヒョウモントカゲモドキと暮らす本」(エムピージェー)
「幸せなリクガメの育て方」(大泉書店)
「ヘビ飼いのきほん」(誠文堂新光社)

<監修>
田園調布動物病院 院長 田向健一

photo: Getty Images

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